天香山命と久比岐のあれやこれや

素人が高志の昔を探ってみる ~神代から古墳時代まで~

建国神話を読む

建国神話余話 誓約の五男神

神代上第六段(誓約)で誕生する五男神は、順序こそ違うが、顔ぶれは変わらない。一書第三は五柱に熯之速日を加え、六男神としている。この熯之速日は、神代下第九段(国譲り)本伝に武甕槌の親として登場する。 本伝 一書第一 一書第二 一書第三 天忍穂耳天…

建国神話余話 関東の国譲り

神代下第九段(国譲り)の一書第二は、高皇産霊が大己貴に「當主汝祭祀者天穗日命」と言って、天穂日が大己貴を祀ることを約束する。 天穂日は、天照と素戔嗚の誓約で誕生した五男神(六男神)の一柱だ。 神代上第六段(誓約)本伝は、天穂日に「是出雲臣土…

建国神話余話 洲羽神話のモリヤ

洲羽の伝承では、建御名方が地元の神である洩矢(守屋大臣)を打ち負かして入植したという。この伝承の元になる史実として、ふたつの可能性が考えられるだろう。 諏訪史料データベース 諏訪信重解状 『諏訪信重解状』とは 上記リンク先より2021年8月転写 諏…

建国神話終章 反九州の気運

前回の要点:狭穂彦=阿彦=天津甕星、狭穂姫=支那夜叉、誉津別=支那太郎。草薙剱は越前素戔嗚から子孫の丹波大己貴へ渡り、阿彦討伐に使われた。同じ頃、科野と関東が争い、饒速日勢が科野を援けて関東勢を退けた。しかし記紀はなぜか八綱田(関東勢)が…

建国神話第十章 天津甕星と狭穂彦と越中阿彦

前回の要点: 武渟川別の東海道派遣は、科野と関東の交流を投影したもの。 協調派と対立派に意見が割れていた丹波では、国譲りののち対立派が優勢になり、日本武と仲哀による九州出兵が起きた。九州から来た武振熊が仲哀庶子の忍熊王を討伐して以降、丹波は…

建国神話第九章 崇神非実在説

前回の要点:淡路の大彦を夫にした久比岐の女性が武渟川別を生む。大彦が初代神武天皇で、武渟川別が第二代綏靖天皇(神渟名川耳天皇)。椎根津彦嫡流の久比岐青海氏から分家して近畿へ移住した人々が倭氏。饒速日は伊勢津彦であり、科野へ移住した。第三代…

建国神話第八章 綏靖、並びに欠史八代

だ前回の要点:天稚彦=兄磯城=彦湯支。味耜高彦根=弟磯城=味饒田。神武(淡路)と椎根津彦(久比岐)が共闘して兄磯城を挟み撃ちにする。丹波大己貴の国譲りとは、このとき淡路・久比岐との対立を避けて素通りさせたこと。淡路勢と対立する長髄彦は葦原…

建国神話第七章 畿内平定

前回の要点:国譲りの大己貴は、本伝は丹波大己貴、一書第二は杵築大己貴のこと。共通して登場する天穂日および経津主と武甕槌は杵築大己貴に関与した。丹波大己貴には関与してないが、本伝にも登場させることで本来は異なる大己貴を同一存在であるかのよう…

建国神話第六章 国譲り神話

前回の要点: 日本海を航行した科野安曇氏が八岐大蛇であり、草薙剱の所有者。 八岐大蛇退治は逐降の原因。 時系列を逆転させて美談に転換したのは、山陰出雲に受け入れてもらうため。素戔嗚を山陰出雲に関連づけることで翡翠の産地を隠匿した。 神代下第九…

建国神話第五章 八岐大蛇

前回の要点: 丹生川上の祭祀で使用した土器の原料を採取したところの地名「埴安」は、武埴安彦を暗示するキーワード。 武埴安彦討伐と国見岳八十梟帥討伐と逐降は、同一の事変を描いている。 大彦=神武=高皇産霊 武埴安彦=国見岳八十梟帥=大国主(※) …

建国神話第四章 逐降と国見岳と埴安(2)

前回の要点:神武は高皇産霊。国見岳八十梟帥は大国主、兄磯城も大国主。越前の丹生山地と国見岳は素戔嗚ゆかりの地。素戔嗚の狼藉が原因で神退った稚日女は、高志と瀬戸内をむすぶ経路(琵琶湖・淀川)を活動域にしていた息長氏に縁がある。天岩戸で諸神が…

建国神話第三章 逐降と国見岳と埴安(1)

前回の要点:誓約で生まれた五男神は瀬戸内を指し、宇佐対馬間の三女神と合わせ、朝鮮半島から鉄ていを仕入れる交易路を表す。鍛冶技術を携え入植した淡路勢は、翡翠の産地である久比岐勢と交流していた。これより前、日向から伊勢に入植した饒速日勢は、同…

建国神話第二章 ヤマト建国前夜の畿内

だいにしょう前回の要点:誓約で生まれた三女神は、宇佐と対馬をむすぶ交易路を司る。素戔嗚は、狗邪韓国を象徴する。 瀬戸内航路 三女神が宇佐と対馬をむすぶ交易路ならば、同時に生まれた五男神もそれに類する存在だろうと予測すると、瀬戸内海が思い当た…

建国神話第一章 素戔嗚と三女神

第五段(神産み)では、さまざまな神と三貴子(天照、月読、素戔嗚)が誕生する。三貴子は、本伝と一書第二では伊弉諾と伊弉冉の両親から、一書第一と第六(黄泉戸喫)では伊弉諾の片親から生まれるが、どちらにせよ素戔嗚は乱暴な気性ゆえに、親により根国…

建国神話序章 自説の骨子

神代紀の誓約から国譲りまでは、倭国大乱を描いている。 神武[1]紀の東征は、倭国大乱のころの近畿地方と中部地方を描いている。 崇神[10]紀には、神武東征の記述を改竄したような倭国大乱の記述がある。 これを読み解くにはコツが必要だ。 コツを押さえれば…